『つみたてNISA』がスタートして1年が経ちました。始めている方は増えている印象ですが、まだまだ浸透していないのが現実でしょう。
浸透しないような制度をなぜ国は推奨しているのでしょう?理由は日本の預貯金残高にあります。
日本の預貯金残高は、1,000兆円にのぼります。主要銀行の普通預金の金利が0.001%の時代になぜ日本人は貯金をこれほどまでにするのか。もちろん、急な出費やまとまった金額が必要になる場合があるのはわかっています。でも、やりすぎ!これが実際のところです。
日本は過去、投資で失敗した方がたくさんいらっしゃいます。日経平均は1989年に過去最高額 38,957円をつけて以来冬の時代に入りました。投資をすれば儲かる時代が終わったのです。この苦い教訓から日本人は、投資は危ないという強い意識を持ってしまいました。
しょうがないんです。現実に日経平均は現在21,000円程度に下がっているのですから。しかし、グローバル社会の中で、日本だけで語っていてもしょうがありません。日本の経済成長率が緩やかでも、世界経済はさらに拡大しています。世界の人口は増加し続けているので、これからも拡大する可能性は極めて高いはずです。
ということは、このままでは日本という国自体が世界経済から置いていかれることを意味しています。
上のグラフから日本と米国を比較した場合、株式と投資信託の割合が米国では高いことがわかります。理由は米国版確定拠出年金制度です。要は(引き出し不可)給料天引きの強制積立制度です。これを投資しており、アメリカの経済成長率が2%ほどですから、0.001%で貯蓄している日本人とは、長期で見ると個人資産が圧倒的な差になってくるわけです。
日本でも近年、確定拠出年金(DC)が始まりましたね。ただすでに圧倒的差がついています。わかっていただけると思いますが、当然追いつけません。
そこで、『NISA』や『つみたてNISA』という形で、税制優遇するから預貯金から投資しましょうという制度を作ったわけです。
嫁
ショノ
投資するなら成長するところに投資する!これが大原則です!
Contents
なぜ『つみたてNISA』なのか?
国は、『NISA』という制度を先に作り、その後『つみたてNISA』を作りました。
ここにも理由があります。
『NISA』はどこに投資して、いつ売買するか決めなければなりません。どこに?いつ?投資すればいいのか我々素人がわかるわけありませんよね。個人で相場に勝とうなんて無茶な話だったんです。相手はプロですよ。プロだって負ける世界、短期的にたまたま勝ったとしても、人間は欲があります。負けるまでやめれませんよ。
これが、どこに投資するかだけ決めるだけで、いつ買っていつ売るか決めなくて良いならいかがでしょう?少しはストレスなくなりますね。そして毎月1万円ずつ引き落としだったらいかがでしょう?初めは毎月上がったか下がったか気になるでしょう。しかし、世界経済は毎年4%成長しています。短期的には下がることがあっても、長期的にみると上がる可能性が極めて高いわけです。
20年という長期で投資することにより、 上がる可能性が高いということが『つみたてNISA』を国が推奨している1つの理由になります。
投資初心者|つみたてNISAメリット
タイトルにもしていますが、初心者が投資をし、それにより資産を形成したいと考える場合、欲を捨てなければなりません。
欲を捨てること=資産形成を叶える投資行動3原則
- 長期投資
- 積立投資
- 分散投資
たったこれだけ守れば、欲は捨てることが出来ます。
20年という長期投資
ギャンブルにおいて、パチプロと呼ばれる人は確率を求めて継続することで生活しています。決して楽しいからで台選びをしている訳でなく、そういう人は長期的な収益はマイナスになってしまいます。パチンコという確率で成り立つギャンブルにおいては、1日1日での収支はプラスになったり、マイナスになったりします。しかし、確率上プラスになる台を毎日打ち続けることができれば必ずプラスに収束していくはずです。
例えがギャンブルでよくなかったかもしれませんが、投資においても月ごとや年ごとの収支は、プラスになったり、マイナスになったりわかりません。しかし、世界経済は年に4%成長しています。長い目で見れば、年4%に収束する可能性が非常に高い訳です。
『つみたてNISA』は20年間非課税という制度であり、長期投資を推奨しているものです。20年という長期に渡って投資することで、収益はプラスに収束する可能性が高くなるわけです。
嫁
積立投資というリスク低減
積立は投資する時期を分けるというリスク低減の方法です。
相場は秒単位で変化します。初心者の我々はその後どう変化していくか予測してなおかつ当てることは困難です。持っているお金すべてを低い時に買って、高い時に売る!これができれば1番儲かりますよ、そりゃ。当たることもあれば外れる時もある。欲があると、まだ高くなるだろうと売り時を逃し、買ったものが一時的に安くなり続けるともう損はしたくないと思い、売ってしまいます。
それを機械的に実施することで感情に左右されない投資が実現します。機械的に実施すればあがるのかという疑問がありますよね?
この方法は、リスク低減です。ですので、上がっている市場においても、下がっている市場においても平均化していくものです。
やはり大前提は右肩上がりの市場に投資することです!右肩上がりの市場に組み合わせで長期投資・積立投資しましょうということです。
ショノ
分散投資=世界経済の成長に乗っかろう!
ここまで世界の経済成長は年4%と言ってきましたが、これに乗っからないといけません。世界経済をそのまま反映する投資先はないんです。今の現時点で反映しているものはあるかもしれません。しかし長期的に反映し続けるでしょうか?
例えば中国の経済成長はすごいですよね。日本のようにバブルがはじけるなんてことはない?と言われるとわからないというのが回答です。ですので地域を分散することで、より安定的に世界経済の成長の4%を得ることが期待できます。
上のグラフは、毎年同額ずつ投資し、投資先をA,B,Cにわけて作成したグラフです。Cの国内・先進国・新興国の株・債券に1/6ずつ投資したものが、年平均4%伸びていることがわかります。このように、地域を分散すると世界経済を反映しやすくなることがわかります。
嫁
ショノ
株と債券は値動きの違う資産になります。債券は値動きの緩やかな資産です、一方株は値動きが激しい資産です。このように値動きの異なる複数の資産に投資することで、価格の変動が小さくなりリスクを低減することができます。(資産の分散)先ほどの積立投資と一緒ですね。積立投資も時間の分散という意味で、一種の分散投資と言えるかと思います。
投資初心者|つみたてNISAの注意点
国が推奨している制度だからといって。あくまで投資だということを忘れてはいけません。元本割れのリスクは当然あります。上で説明したことを理解した上で、納得して始めてほしいです。
ここからはさらに注意してもらいたいことをお伝えします。
お金は無理をしてはいけない
『つみたてNISA』は少額から始めることができ、年40万円まで非課税で投資できる制度です。月にすると約33,000円です。
余裕のある方は、年40万限度額いっぱいすることをお勧めしますが、それ以上に大切なのは長期・積立です。これができないと、上で説明した前提が崩れてしまいます。
月5,000円からでも全然いいと思います。途中解約しなくもいいようにまとまったお金は貯金しておきましょう。無理をすると欲も出ます。今解約したら上がっているから得だななど解約しては意味がありません。つみたてNISAのメリットを生かさないともったいないです。
欲を捨てるのは難しいので、欲を出せないようにすることが大事だと思います。
アクティブ型には気をつけろ
投資信託には大きくわけて、インデックス型とアクティブ型の2種類が存在します。
アクティブ型⇨市場動向よりいい結果を狙う
ここでは、世界経済の成長に乗っかることで年4%の利益を作ることをお話してきました。『つみたてNISA』で投資できるものには、市場平均を目指すものだけでなく、もっとリスクを追ってそれ以上の利益を求めるアクティブ型というものが存在します。
アクティブ型はより成長しそうなものを求めて、ファンドマネージャーが運用していくものです。インデックス型と比べてより手間をかけるため、信託報酬(差し引かれるコスト)が投資者にかかってきます。インデックス型にも当然かかってきますが、アクティブ型との差は約1%となっており、単純に1%多くの運用利益を稼がなくてはインデックス型に追いつけなくなります。
リスクを増やして、なおかつ1%多く払わないといけない、わかりますよね?
初心者はインデックス型の方が安心です。
それでもアクティブ型で多くの利益を出している会社も多く、アクティブ型も魅力的だなと考える方はぜひ検討している運用会社のセミナーに参加してからにしましょう。
アクティブ型はファンドマネージャーが運用していると書きましたが、20年間同じ人が務めるのは稀なことです。会社の理念や考え方を理解して納得して始めることが大切です。
投資初心者|つみたてNISAのおすすめは?
『つみたてNISA』で投資できる商品は約160商品あります。
これを全ての金融機関(証券会社、銀行など)が扱っているわけではありません。
実際には、投資する商品と金融機関を選ぶ必要があります。
ここでは、世界経済の成長に乗っかるために国内・海外にバランスよく投資するインデックス型の商品と取り扱いのある金融機関をご紹介します。
野村インデックスF・内外7資産バランスH型
この商品の特徴は、とにかく分散投資戦略にあります。国内外 株式・REIT、国内外および新興国債券の7資産を対象とし、国内外 株式・REITに1/6ずつ、国内外および新興国債券に1/9ずつを基本割合にしています。原則毎月リバランスを行っており、初心者やリバランスは面倒という人にもおすすめ。
信託報酬も0.54%とバランス型の中では割安となっています。3年間のトータルリターンは年率4.34%、5年間で年率5.88%となっています。世界への分散投資でなおかつ年率4%を目指せる商品だと思います。
取り扱いのある金融機関
たくさんありますが、おすすめは楽天証券!
毎月の投資額に対して楽天カードで支払うことができ、1%のポイントをもらうことができます!取り扱いがあるなら楽天証券いいでしょう!
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
インデックス型の外国投資証券に投資することで、実質30ヶ国以上の株式、10ヶ国以上の債券に分散投資することができます。この外国投資会社バンガードは世界のインデックスファンド世界シェアNo1で世界の4割を占めています。こちらも分散投資ができているため、この1商品での運用でいいと考えます。
信託報酬は0.60%とバランス型の中では平均的となっています。3年間のトータルリターンは年率5.99%、5年間で年率5.16%、10年で年率7.68%となっています。世界への分散投資でなおかつ年率4%を目指せる商品だと思います。
取り扱いのある金融機関
こちらは独立系運用会社 セゾン信託のみ取り扱いがあります。
セゾン投信はつみたてNISAでたくさん執筆のある中野晴啓さんが社長の会社です。長期資産育成型ファンドとして成長してきている会社で、取り扱いも2本のみと信念を貫いています。
つみたてNISA|セゾン投信のセミナーに参加してきた!投資初心者|つみたてNISAまとめ
0.0001%の超低金利で預金していては、世界で日本はお金のない国になってしまいます。何度も言うように世界の経済成長は年4%です。これがマイナスになった時、私はしょうがないなで済むと思います。世界の物価も下がるはずですから。一方世界がこのまま成長を続けたら、海外旅行に行っても物価は高く、楽しめない世界になるかもしれません。
今後人生100年時代は確実にやってきます。60歳で何千万円必要という常識はさらに増えていくと思います。国が政策として非課税制度『つみたてNISA』を推奨してくれているわけですから、しっかり自分で考えてお金の運用をしていくべきです。
最後になりますが、20年は非常に長期間です。リーマンショックのような大暴落があるかもしれません。そのようなタイミングで不安にならないよう無理のない範囲で投資しましょう。また、20年間ずっと持ち続けることはありません。10年をすぎたら売却のタイミングを考えてもいいかもしれません。目標にした金額に達した、何十年ぶりかの高値更新などが良い例ですね。
メリットの多い『つみたてNISA』です。まだ始めていない方はよく考えて納得した上で始めてくださいね。この記事が少しでもお役に立てたなら幸いです。
出来るだけ簡単に書いたつもりですが、ここがわかりにくいなと感じたらぜひコメントください。
それでは!